News
- 2024.09.05
- 王子ファーマによる第一種・第二種医薬品製造販売業許可の取得について
- 2023.10.02
- 株式会社レクメドの第三者割当増資引受のお知らせ
なぜ、
植物原料の時代なのか
動物原料に代わるものとして、植物原料の使用が期待されています。
理由として挙げられるのが、人畜共通感染症のリスク低減、環境負荷の低減、
トレーサビリティ向上など。王子ファーマの目標は、安全・安心な医薬品開発。
現在、安定供給のための基盤づくりを進めています。
製紙と製薬──
王子グループ独自の挑戦
王子グループは、150年以上にわたり、日本の紙づくりを支えてきました。
根底にあるのは、木を植えて育てるという姿勢。「森のリサイクル」を行動指針に掲げ、
持続可能な森林経営を続けてきたのです。王子ファーマは、こうした歴史を踏まえ、
製紙の知見を生かしながら、製薬に木質資源を役立てる研究・開発をおこなっています。
セルロースは紙に、
ヘミセルロースは
医薬品に
木材の成分比率は、約50%がセルロース、約25%がヘミセルロースです(残りの約25%はリグニンなど)。セルロースは、紙や繊維の原材料として、広く活用されてきましたが、他方、ヘミセルロースは、工場のボイラーで燃料として燃やされるだけでした。王子ファーマは、ヘミセルロースの可能性に着目し、未来へ向けた医薬品開発を進めています。
動物原料から植物原料へ
医薬品に用いられるヘパリンは、ブタやウシなどの家畜から作られて
いますが、王子ファーマが開発する医薬品では、植物原料に由来する
「硫酸化ヘミセルロース」を使用します。硫酸化ヘミセルロースとは、
ヘパリン同様、硫酸化多糖に属する化合物。動物原料のヘパリンとは
異なり、植物原料であるヘミセルロースの精製・半合成によって、
硫酸化ヘミセルロースが製造できるようになりました。
硫酸化ヘミセルロースの
作り分け
王子ファーマ独自の製造方法により、「硫酸化ヘミセルロースの作り分け」に成功し、さまざまなバリエーションが生まれました。それぞれの特長や用途に対し、開発目標が設定されています。
硫酸化ヘミセルロースの
未来像
硫酸化ヘミセルロースには、血液凝固阻止作用や抗炎症作用、保湿作用があることがわかっています。これらの特長を最大限に活かせる開発目標を掲げ、ウマやイヌなどの動物用医薬品は5年以内、人体用医薬品は10年以内の製品化をめざしています。また、化粧品や食品への応用・開発・販売も計画しています。
産学共同での
検証実験もスタート
多方面にわたる研究・開発の一環として、北海道大学との共同研究も進行中です。
大学院獣医学研究院・獣医学部の奥村正裕教授は、動物関節疾患の第一人者。
奥村教授の研究チームとともに、ウマ関節炎に対する硫酸化ヘミセルロースの
薬効検証実験をおこなっています。